1984年9月7日(金) 渋谷のライヴ・スポットEgg-manにてスタートしたキース・ムーン追悼gig!

 発案者であり現在も追悼gigのプロデューサー、そしてメイン演奏者Daimyo(Vo&G)は自らバンド・マンを目指す以前から常々、日本におけるTHE WHO、キース・ムーン理解者の少なさ、音楽ジャーナリズム、ミュージシャンの愚かな認識加減、そして忘れた頃に繰り返される"モッズ" という名の上辺ブームに悲しんでいた。「それならば!」と年に一回、THE WHOカヴァーだけのステージを演ってしまえ!...そう決意。ブッキング事務所に企画を申し出た。かくしてDaimyoが80年代活動したトリオ・バンドPOW!を中心にキース・ムーンの命日、キースとTHE WHOをこよなく愛するミュージシャン達が、世代、プロ・アマを超えてTHE WHOのナンバーを演奏。

 POW!はBOXレコードやSONY傘下のFileレコードなどのインディーズでレコードやCDを発売。シングル「幻のスーパーマン/Don't Go Away」のアレンジはもろTHE WHO風。叉御大ムッシュかまやつ氏ともツアー等、活動を共にし、’60〜’70年代のナンバーを多数演奏。メ広島平和コンサート”では、氏の率いたザ・スパイダースの有名曲をむりやり「My Generation 」や「バットマンのテーマ」などのアレンジで演奏。当時NHKで放送されたものがいくつか市販されている。メンバーはDaimyoの他,ドラムスに小田原豊、ベースの根岸孝旨。いずれも埼玉出身の3人。

 止むを得ずできない年はあったものの毎年、演奏するナンバー、そして参加アーティストも変化し続け.....誰でもできる(?)初期THE WHO ナンバーから、THE WHOブートレッグでも演奏してない曲、アレンジを加えて演奏可能にしたマニアックなチューンまでレパートリーを広げていった。’94年の第10回Gigでは恐らくTHE WHOですら成し遂げていないオリジナルTommy全曲完奏を。例年にない盛り上がりになった。(*THE WHOは、リユニオンTommyツアーの際もメWelcome”を削っていた。)

 ところが、翌年からのPOW!活動停止。3年間このイヴェントも中断の危機に。

 そこで、第10回まで影ながら客席で声援を送っていたザ・フー・ファンクラブ会長、前澤陽一氏が、Daimyoの3年間中断に関する意見を手紙で直訴。THE WHO、そしてキース・ムーンGigの広げたフレンドシップの輪を痛感したDaimyoは、あらためて演奏可能なメンバーを探す決意。’98年より、場所こそ高円寺ShowBoatに移したものの毎年9/7Gig は完全復活。’99年Gigでは現在ザ・フーの日本版CDライナーノーツほとんどを執筆する初代ファンクラブ会長、保科好宏氏も駆け付け、MC パフォーマンスで2000年THE WHO復活の可能性を発表。翌年を待つまでもなく’99年末THE WHOのリユニオンは現実となった。

Home